10月17日&18日→愛知/郷土英傑行列
今日ご紹介するのは……「武」イベントではないのですが、実のところ無縁とは言えません。
2015年10月17日[土]・18日[日]、名古屋市中心部にて「郷土英傑行列」パレードが開催されます。
なんと、今年は第61回目。
武道・武術界隈からは、パレードは「お遊び」と見られがちですが、そもそも武道文化というのは武家社会のヒエラルキーと無縁ではありえませんし、戦国大名趣味・甲冑趣味と、武道・武術愛好を両立させている方も少なくありません。
http://www.nagoya-festival.jp/?p=877
「三英傑」──この言葉は愛知県では常識なのですが、日本全体という枠で見ると、あまり知られていないようですね。
Wikipediaから引用します。
三英傑(さんえいけつ)、もしくは郷土三英傑は、現在の愛知県(当時は尾張国と三河国)出身で名古屋にゆかりがあり、戦国時代において天下を統一へ導いた3人の戦国大名について、主に愛知県や名古屋市で顕彰する呼称。名古屋まつりでは毎年、この3人にちなんで郷土英傑行列が行われている。
戦国の動乱から260年の太平を築いた過程は、信長・秀吉・家康という三人の、どれ一人が欠けても違っていたでしょう。この三人ともが尾張と三河──愛知県内出身であることから、県内では「三英傑」と呼び習わしているのです。
行列はグループごとに、それぞれ名古屋の有力百貨店がスポンサーとなって主催されます。
この、名古屋における四つの老舗は、どれもイニシャルが「M」であることから「4M」と通称されています。
……え、そんな名古屋事情はどうでもいいって?
すみません。
こちらは昨年(2014年)の英傑行列の様子です。
今年の構成は、このようになっています。
■少年鼓笛隊《名鉄百貨店提供》
郷土英傑行列の先陣を切るのは、陣笠、陣羽織姿の少年鼓笛隊。元気いっぱい高らかに笛を吹いて、行列の到着を知らせます。また、服部半蔵率いる伊賀の忍者軍団によるスリリングなアクションも見逃せません。
<構成>
服部半蔵軍団
大天狗・小天狗
先達
高札
少年鼓笛隊(赤組)
少年鼓笛隊(緑組)
■シャチばやし隊
そろいの浴衣に身を包んだシャチばやし隊が踊りながら登場。三英傑の天下統一を餅つきにたとえ、信長がこねて、秀吉がついた天下餅を家康が丸め、永久平和を願う物語をおはやしで表現しています。
<構成>
シャチ山車
高札
シャチばやし
■織田信長隊《三越提供》
天下統一に向け時代を先駆けた織田信長が、勇ましく馬に乗って登場。正室・濃姫や腰元たちの一行に続いて、宣教師や外国大使も行列に連なり、西洋文化をいち早く取りいれた信長の豪快さを伝えます。
<構成>
高札
角幡
五色吹流し
ほら貝
陣太鼓
ドラ
旗差物
槍隊
鉄砲隊
小姓
馬印
高札
二間槍
織田信長
森蘭丸
柴田勝家
前田利家
羽柴秀吉
徳川家康
【濃姫山車】
濃姫、腰元
宣教師
外国大使
随員
五色吹流し
■豊臣秀吉隊《丸栄提供》
名将たちを従えて登場するのは、名古屋中村で生まれ、天下統一を成し遂げた豊臣秀吉。正室・ねねや大名奥方たちの一行のほか、秀吉と琉球王国の関わりにちなんで、琉球エイサー踊りも参加します。
<構成>
高札
旗差物
旗持
ドラ
ほら貝
陣太鼓
槍持
【七本槍】 福島正則、加藤清正、平野長泰、加藤嘉明、糟谷武則、片桐且元、脇坂安治
【秀吉山車】 豊臣秀吉、曽呂利新左衛門、前田利家、石田三成、小姓
【地方大名】 伊達政宗、小西行長、上杉景勝、毛利輝元、浅野長政、蜂須賀小六
出雲の踊り子
鳴り物
【ねね山車】 ねね、大政所、局
大名奥方
腰元
槍持
【黒田山車】 黒田官兵衛隊
琉球エイサー踊り
吹流し
■徳川家康隊《松坂屋提供》
三英傑の最後を締めくくるのは。将軍・徳川家康。毛槍(けやり)や駕龍(かご)、最愛の孫娘・千姫に続き、重臣とともに威風堂々と登場します。
<構成>
高札
先払侍
馬印持
挟箱奴
毛槍奴
供侍
駕籠奴
御典医
腰元
【千姫山車】 千姫、局
大久保彦左衛門
魚屋
一心太助
供侍
大太鼓
幟旗隊(黄)
幟旗隊(赤)
幟旗隊(紺)
【家康山車】 徳川家康、松平忠吉、本多忠勝、酒井重忠、池田輝政
徳川十二将
井伊直政
黒田長政
藤堂高虎
石田三成
島左近
大谷吉継
小早川秀秋
鉄砲隊長
鉄砲隊
槍隊長
槍隊
( http://www.nagoya-festival.jp/?p=877 )
行列にはいくつかの「お約束」があります。
例えば家康は、複数回登場します。まず、若い姿が織田信長の行列に。恰幅の良い姿が、最期の山車に。
また、秀吉と家康は山車での東条ですが、信長は乗馬姿と決まっています。三英傑役は基本的に毎年公募されるのですが、信長は基本的に、乗馬できることが条件です。
そしてメインの姫君たちは、4Mデパートの女子社員から選ばれるとのこと。
行列の時間帯は、名古屋の目抜き通りが封鎖されます。自動車での通行は不便になりますから、マップを確認しておきましょう。
そして例年、仮設のスタンド席が設置されます。
「行列観覧席」のチケット販売情報はこちら。
パレードをフルに楽しみたいならば、スタンド席は必須です。