【レポート】2016/04/30→千葉/西洋甲冑カフェ
さてさて、レポート記事です。
2016年4月30日、千葉県市川市にて、「西洋甲冑座談会」が開催されました。
イベントというか、「ファミレスで昼食を食べながら甲冑の話をしていただけ」かもしれませんが。
事前告知&募集記事はこちら。
http://armourer.blog64.fc2.com/blog-entry-475.html
(武カレでも記事にしました。→ http://budocalendar.hatenablog.com/entry/2016/04/19/023000 )
写真は? あるんですが、高そうな資料だし……食べ物の写真を貼っておきます。(待て)
主催者は「西洋甲冑師見習い+2」こと、@Maximilian2720 氏。
ごく少人数だからこそ先生を占有する時間の長いこと!
当blogの中の人は、日本の武術の知識は少々あるものの……西洋甲冑の知識は「小学生向けの詳しい図鑑に載ってる内容」+「WEBで見かける、ちょっとした最新知識」ぐらいのもの。
そんなキャラが混ざって良いのかと疑問に思いながら市川駅に降り立ちました。
自己紹介のあと、雑談からナチュラルに甲冑談義。ただし、最初に一枚のシンプルな歴史年表を手書きしてからの本格スタートです。
「ヨーロッパ中世」を3分割しつつ、中でも1450〜1550年にフォーカスします。博物館に収まっているような全身板金鎧は、この前後に急速に進化して花開いたものだそうです。事前に持っていた歴史年表イメージと随分違いますね……。
(当レポートでは話を随分と省略&簡素化していますので御注意ください)
ゲームや漫画などで「その時代より先の甲冑が登場している」「無いと困る重要な部品が描かれていない」といった識者のツッコミを、WEBでは見ることがあります。
いったいどんな異常な(褒め言葉)知識と観察眼があれば、そんなツッコミができるようになるのか。
……と、昨日までは思っていました。
生物の進化が恐らくそうであるように、武具の進化も「何らかの必然」があって生まれます。冶金学など技術の進歩、戦術の変化、経済の要請……。そういったものが、兜や鎧の形状の変遷をもたらしているのですね。
「『フルプレート・アーマーは鉄砲に負けて消えた』って言説は間違い」
「銃弾は防げる重装騎兵を1人配備するよりも、銃持ち歩兵を10人配備する方がコスパが良い」
「胴鎧のフロントの膨らみの変遷は、明確な方向性があった」
「流行は、周辺国(イギリスとか)では遅れて現れる」
「リベット部の曲線は意匠ではなく、可動性と軽量性を両立させる工夫」
などなど。
いやあ、非常に勉強になりました。
考えてみれば、生身の人間が着用して運動して闘争し、しかもその前提には技術トレンドと、大規模な経済活動があるのです。
美学による嗜好性・指向性はあったとしても、全体としては合理性によって進化は進んでいく……というのは、考えてみれば当然なのでしょう。
当日は、参加者のカバンから「現代模造品かもしれない、中国の鎧?の一部」が出てきたり、西洋甲冑を内側から接写した写真がバンバン出てきたり。
「個別の、部品の知識を並べることは簡単ですが、結局それは個別でしかないんです。でも年表を定規にして、まず大枠を掴むと、だいたいのところが見えてきます」(大意)
あらためて、@Maximilian2720 先生のBlogリンクです。
http://armourer.blog64.fc2.com/