11月2日→愛知/相生道(そうせいどう)演武会(追記あり)
2015年11月2日、相生道(そうせいどう)の演武が披露されます。
相生道は越中(富山県)に伝えられた天武無闘流柔術を源流とし、十代目宗家・佐々木武久師範が、現代に適応する新しい武道として1987年に開創した、新しい武道です。
愛知・名古屋エリアで相生道を稽古しているのは、南山大学相生道部( http://ameblo.jp/nanzan-ssdclub/ )と、愛知県支部・山王道場(http://soseido.jimdo.com/)だけですが、前者は年に2度、演武会を開催しています。
↓春演武に関する、前回の当Blog記事はこちら。
当Blog(武カレ)は、武道・武術界の総合的な発展を目指していますが、中の人は「日本相生道協会」の立場でもありますから、こうして自流派の宣伝エントリも、こうして時折入ってくるのです……。
秋の演武は、南山大学の大学祭の行事としておこなわれるものです。大学祭には模擬店も多く、近隣住民の方などが縁日のように楽しんでいきます。
開設される模擬店は食べ物だけではなく、劇や占いの館などもあり、中高生から大人まで、当日は様々な人が構内に溢れます。
落語研究会のイベントではTV「笑点」のレギュラークラスの落語家が来たり、広告文化研究会のイベントでは毎年中堅クラスのバンドがやってくるのですが、これらは学外の方がチケットを取るのが容易ではありません……。一方、武道団体の演武会は(残念ながら)人気もそれほどなく、なに不自由なく観覧することができます。
天武無闘流は豊富な打撃技法を持つ柔術で、それは現代の相生道にも受け継がれています。「相生道は源流の体坐術と拍打術を組み合せたもの」という言葉もあります。これは柔術系の伝承としては、比較的珍しいほうに属するようです。(拍打術などに関しても、おそらく近世末から近代に、当時の伝承者によってかなりの追加が行われているものと思われますが、まだ分かっていない部分が多いと言えます。そうした研究的成分は身内向けなのですが、ごく一部は「相生道八雲会」Twitterアカウントで時々公開しています。……宣伝目的なのですが。)
相生道は、それを十代目の伝承者である佐々木武久師範が、玄制流空手での指導経験を踏まえて、さらに科学的に整理・体系化して開創したもので、比較的安全な投げ技から危険なものまで、そして飛び蹴りなどの特殊な打撃技も頻繁に用い、立体的な攻防展開を目指します。
狭義の「相生道」は、飽くまでも素手の、人格形成を目指す現代武道です。ただし源流である天武無闘流には剣術や棒術、ぶんぶんばり術などの武器術が伝えられており、それを保存する目的で、一部の形演武も稽古しています。
しかし武器術や体座術など多彩な種目がある、南山大学相生道部の演武会は、あまり武道・武術に興味が無い方にも楽しんでいただけるのではないでしょうか。
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(2015/10/28追記)
今年の南山大学・相生道部 演武会の演目の情報が入ってきたので、掲載します。
- 相生道の基本術技
- 多敵演武
- ぶんぶん張り術
- 鎖鎌術
- 剣術
- 抜刀術
- 棒術
- 主将演武
「ぶんぶんばり術」や「抜刀術」などの解説は、11/1多摩美大演武の記事に書きました……( http://budocalendar.hatenablog.com/entry/2015/10/28/080000 )ので、それ以外の解説を追記します。
「相生道の基本術技」では、六級技を中心にしながら、現代相生道の技法的特徴を存分に披露します。「六級演武」とは異なり、演武者には上級者も含まれます。
「多敵演武」は、天武無闘流柔術会の時代までは「三方破り」とも呼ばれた、1対3で戦う演武です。
敵が多い場合、囲まれてしまえば負けが確定しますから、一箇所に立ち止まらないことが重要です。時には前転・側転なども使いながら常に移動し、剛手技(突き・蹴り)や柔手技(関節技・投技)を駆使して、3名の敵を制圧します。