2017年09月30日→埼玉/「戦う身体の民俗学」
2017年09月30日、埼玉県立歴史博物館にて、「戦う身体の民俗学」という研究発表が行われます。
時間帯は13時から16時45分。
詳細は主催者である、現代民俗研究会のウェブサイトを御覧ください。
URL先によると、テーマは次の通り。
発表者(テーマは依頼時のため、異動あり):
中里亮平(長野大学非常勤講師)
「たたかう祭礼―非日常における身体と正しい振る舞い―」
池本淳一(松山大学准教授)
「どこで、誰と、どこまで戦うか?―『戦う身体』の日中比較―」
清水亮(東京大学大学院)
「兵士の身体の解放と統御―戦前期土浦の盛り場における暴力に着目して―」
コメンテーター:
戸邉優美(埼玉県立歴史と民俗の博物館)
司会・コーディネーター:
鈴木洋平(埼玉県立歴史と民俗の博物館)
研究会のご案内 -現代民俗学会 The Society of Living Folklore-
本研究会では、民俗学が主たる対象として取り上げてきた日常の境界線上にある「戦う」という文脈から、人々が身体を通じて身に着ける行為について検討する。
地域社会や環境への適応をする中で、よりふさわしい行動を取っていくプロセスについて、民俗学では人生儀礼をはじめとして研究を積み重ねてきた。一方で、ときに非日常とされる状況にあっても、人々は何らかの形での適応を必要とする。特に、戦うこと、勝利を通じて生き残ることが必要とされる状況下においては、あるべき振る舞いを身に着けるというプロセスが非日常的な文脈においても重視されていたと考えられる。「適応する身体」について、「たたかう」という文脈から考えてみたい。
千葉徳爾は、仮定した人と動物との「たたかい」の要素として、
①一対一の対等の形
②双方の肉体的、精神的な全力をあげてたたかい
③一方が完全に再起し得ないか死ぬまで行う
などを挙げている。千葉の問題意識は、集団の勝利を目指す「いくさ」とは異なる原理で動く「たたかい」の要素が軍隊組織でも維持されていたことと、近代戦との齟齬により生じる問題にあった。今回は千葉の試みを、「たたかい」という原理を身に着ける人々の身体に軸を置いて考えたい。
民俗学という視点と、武術あるいは軍学という分野は、本来もっと密接に語られているべきでありながら、まだ(例えば一般書店に並ぶラインナップでは)一般の認識が不十分かもしれません。
「事前連絡・参加費等無料」とのことですから、お近くの方は是非、足をお運びください。